ほんだな nagi style
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KISS
2010.08.06.Fri スポンサーサイト
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2010.08.06.Fri ロビンソン病  狗飼恭子 著
 「ロビンソン病」 狗飼恭子 著

<あらすじ>
婚活よりも恋愛。株価よりも男。
好きな人の前で化粧を手抜きする女友達。日本女性の気を惹くためにヒビ割れた眼鏡をかける外国人。結婚したいと思わせるほど絶妙な温度でお風呂を入れるバンドマン。切実に恋を生きる人々の可愛くもおかしいドラマ。恋さえあれば生きていけるなんて幻想は、とっくに失くしたけれど、やっぱり恋に翻弄されたい30代独身恋愛小説家のエッセイ集。 

<感想>
「Webマガジン幻冬舎」で掲載されたエッセイの単行本。
1つ1つのエッセイは些細な出来事や狗飼さんの感じた事で、それを1ページ半にまとめあげているところにセンスを感じる。
こう言う感じでBlogを書けたらなぁ@と思う私。
たとえば、いつも立ち寄るコンビニの店員さんの言葉使いとか、ある日の電車の風景とか、そういう何気ないことに狗飼さん風に言葉を紡ぎ出せたらなぁ・・・と。
エッセイの中では『赤と黒のカフェ』とか好き。友だちと待ち合わせ場所を決めた時、相手から「じゃあの黒いカフェで××時に!」と言われ、狗飼さんはそのカフェのイメージが「赤いカフェ」だった。そのカフェは、黒い壁に赤い窓枠が印象的建物らしい。見ている視点が違うととらえ方がとらえ方が違うと言う話だった。なるほど。
「恋愛の副作用」や「おかあさんのこと」なんか好きです。
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| 12:32 | comments(0) | 狗飼恭子 |
2010.07.23.Fri 空色ヒッチハイカー
「空色ヒッチハイカー」 橋本 紡 著

 <あらすじ>
人生に一度だけの18歳の夏休み。受験勉強を放り出して、僕は旅に出る。兄貴の残した車に乗って、偽の免許証を携えて・川崎→唐津、七日間のドライブ。助手席に謎の女の子を乗せて、心にはもういない人との想い出を詰めて、僕は西に向かう。旅の終わりに、あの約束は果たされるだろうかー。大人になろうとする少年のひと夏の冒険。軽やかな文章が弾ける。ポップでクールな青春小説。



<感想>
秀才である受験生の彰二が兄を失ったことで道しるべを失い、兄の残した古いキャデラックに乗って、関東から九州まで国道を旅する、ロードムービー的青春小説でした。
時間があるようでない。未来が見えているようで遠い。確実なものがありそうでない。それが青春。まさしくその状況にある18歳の男の子が目標としてきた兄を失い、これからの方向性に迷った末、兄と決別し自分の足で歩き出す7日間だったのだろうと読みました。
同年代の息子を持つ母である私としては高3の世界がこうなんだなーと思ったりもして・・・。 
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| 14:23 | comments(0) | 橋本 紡  |
2010.06.24.Thu 告白  湊かなえ 著
 「告白」 湊 かなえ 著

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<あらすじ>

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして第6回本屋大賞受賞のベストセラー。

<感想>
この小説はやたらと評判が良かった。
賞も「09年本屋大賞1位」「週刊文春08年ミステリーベスト10、第1位」
「ミステリが読みたい09年度版、第3位」「このミステリーがすごい!09年版、第4位」など肩書きだけでも相当なもの。
なので、気になりつつも、読む気分になれず放置していましたが、文庫化され、映画化までされたので今回チャレンジ。

読み終えた感想は、とてもセンセーショナルな設定を使って、心理戦で「復讐」を描いた作品だなと言う感じです。
複数の、立場が違う人たちがひとつの事件について章ごとに語っていく設定は、面白くはあったけれど、リアリティが少し欠けていて、絵空事のような印象でした。
それこそ映画なら映像としておもしろいかも知れませんが、小説だとリアリティ感が強い程に恐怖感が増すので、その部分が薄いミステリーとも言えます。
ある種、娘の死をきっかけに倫理観などを中学生に語るのが常識だろうところを、センセーショナルな設定をすることで不謹慎ながらエンタテーメントとして置き換えている感じです。
愛娘を殺された女性教師が感情を抑えて語る冒頭のシーン。冷静に語られれば語られるほどに恐怖感を煽ります。
また、後半部分で事件と関わったふたりの少年にとって、「母親」の存在がどのようなものだったかについてかなりの書かれています。
「母親」がどれだけ大切な存在であるか、母親の言葉、表情、行動がどれだけ子どもに影響を与えていたか・・・的な表現なのですが、どうもそこが気に入らない。
子どもにとってそこまで母親の影響って大きいんでしょうか?
自分は娘であり、現在2児の母。それなりに一生懸命に子どもを育ててきたつもりだし、育てているつもりだけれど、その部分にスポットを当てられると非常に怖くなります。私の一言や、ふとした態度がこれほどまでに敏感に影響を受けているとしたら、こんなに恐ろしいことはありません。

気持ちのいい小説とは思いませんでした。センセーショナルな設定に対してはHIV感染=死を感じさせるような表現も多く見られ、HIVとエイズの扱い方もイヤな印象です。

人を赦すことについて書かれた小説は過去に読んだけれど、このような読後感の小説はめずらしいかも知れません。そう考えるとこの小説は私の中に衝撃を与え、疑問を感じさせるなど心を大きく波立たせたと言う点では成功しているのかも知れません。
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| 23:01 | comments(0) | 湊 かなえ |
2010.05.10.Mon 神様のカルテ

「神様のカルテ」 夏川草介 著


<あらすじ>
栗原一止(いっと)は信州の小さな病院で働く内科医。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、自分の時間も多少出来るし何より最先端の医療を学ぶことができる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作。

<感想>
最初、文体が苦手な一人称の古めかしい文学口語体だったので(あ・・・まずった)と若干の不安を感じながら読み始めた本書。1/4ほど読んでその違和感が消えてしまうほど一気に読み終えました。
読み終えた今では、この古風な言い回しが患者との関係を感傷的にさせ過ぎず、「世忘れ人」のような盟友(最近の言い方をするなら負け組)との関係をうまく表現し、温かさを感じさせているようで、古風な口語体が良い方向に作用していたように思います。

本作は、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2010年本屋大賞」の第2位に選ばれています。本書の帯に「神の手を持つ医者がいなくても、この病院では奇蹟が起きる」とあります。正直このフレーズは本書を正しく表現していません。地域医療とは何か?最先端医療の現場からこぼれ落ちた患者が治療を受ける終末期医療について。 そして救急医療問題や研修医問題など現実の医療の世界で大きな問題となっているのに現状の体制ではどうすることもできない問題点をリアルに描いてある小説です。
医療現場の内実を知っている私には主人公の葛藤と苦悩が伝わってきました。
そうなんです。「医療」の世界にはこんなに問題があるのに、今すぐ変えることの出来る現状になく、それでも毎日、患者さんは受診に来られるし、救急搬送されて生死の境をさまよわれる。疑問を感じても止まって考えることを許されない。それが「医療の現実」なのです。

若かかりし頃。大学病院の心臓外科に勤務していた私。最先端医療・高度な技術を要する職場に誇りと自信を感じていたけれど、疑問を持つこともありました。同じ目線で悩んでいる主人公の一止医師。カレの医療や患者に対する姿勢、その姿にこそリアリティを感じずにはいられません。
ほんとうの医療とは?それを投げかけられているようにも思いました。

多少グッとくるシーンはありますが、泣かせようとしていないところが良いのです。
小説の中に出てくる人々はみんなクセはあっても良い人ばかり。温かな優しいきもちになれる一冊でした。
でも一言。本の題名・・もう少し考えて欲しかったな。「神様のカルテ」じゃなんか違う気がしちゃってます。

※
過去に完全挫折した古風な口語体を主とする森見登美彦さんの小説。もしかしたら読めるかも?と少し思った私です。

 
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| 01:28 | comments(0) | 夏川草介 |
2009.12.14.Mon いつまでも白い羽根
「いつまでも白い羽根」  藤岡陽子 著

<あらすじ>
「人の好き嫌いってなんだと思う?生きる姿勢なんだと思うんだ」
家庭の事情から行きたくもない看護学校に入学した瑠美。いつ辞めようかと思いながらも看護の勉強を続ける。不器用だけど天真爛漫な千夏。家庭がありふたりの子持ちの佐伯。謎めいた美少女の遠野。いろんなクラスメイトと共に過ごす中で瑠美はいろんなことを経験していく。
この時代にこそ必要な文学の大きな役割を堂々と担った、正統派大型新人、堂々のデビュー作。

<感想>
この感情をどう表現したらいいのか。
自分の看護学生時代とこの小説がかぶって、甘く苦く切ない気持ちとこんな過酷な世界を越えてきたんだなーと言う自負を感じた1冊だった。

その小説は看護学校の現実をリアルに描いている。それもそのはず、著者の藤岡さんは慈恵看護専門学校を卒業した経験があるからだ。

恐ろしいほどの量のレポートに提出物、学生でありながら、失敗が許されない厳しい世界へと実習に出される20歳前後の少女がはじめて直面する患者さんは年齢もさまざまで、死に直面する人、永遠に病気と闘い続けなければならない人などがいる。
あの頃、自分に看護師になる決意が自分にどれだけあったかわからない。少なくとも私は親に啖呵を切って学校を選んだ以上、(ケツを割るワケにいかない)と言う意地もあってこの道に踏みとどまった部分もあった。
ライバルでもある友だちとぶつかり合い、励まされながら「自分」と言う存在を知り、自分に「自信」を持つことも覚えた時代だったと思う。
心をこめて必死で勉強して看護をしても、患者さんからは結局「ほんとうの信頼」は得られず、理不尽なことで先輩ナースに怒られるうちに(1日も早く一人前のナースになりたい!)と強く思ったものだ。
この小説にも書かれているように、こんな演習って必要?と思うことも多いし、先輩ナース、学校の先生からのいびりも実際、あった。けれど、今となればあの時の経験は自分の糧となっているし、ムダではなかったと思う。

この年齢になり、自分の子供が職業を選ぶ年齢を迎えてた。ママ友だちの娘さんは「看護師を目指している」と言う。小説を読むとこんなハードな学生生活を送る自信がないと思われるかも知れない。実際、私が読んでもそう思ったぐらいだ。だけど、当事者なら越えてゆけるものだと思う。私も必死でただ前だけを見つめて走っていたと思う。
これから職業を選択しようとしている高校生や大学生、思うような人生を歩めずに迷っている人に読んでもらいたい1冊だ。 
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| 15:37 | comments(0) | 藤岡陽子 |
2009.11.26.Thu ベイブルース 25歳と364日  高山トモヒロ著
「ベイブルース 25歳と364日」 高山トモヒロ著

<内容>
1994年10月31日。25歳と364日で人生の幕を閉じた天才漫才師、ベイブルース河本栄得を知っていますか?
数々の賞を受け、確実に将来を有望視されていた漫才コンビ「ベイブルース」を突如おそった河本栄得の死。あれから15年。河本の15回目の命日に、相方高山トモヒロが自身の幼少期の思い出から河本との出会い、そして別れまでを克明に綴った。


<感想>
私は、漫才師「ベイブルース」を知っている。大好きなコンビだったし、河本くんはおもしろかった。彼らが出ている関西ローカル番組はよく見ていたし、これからが楽しみなコンビだった。ある深夜、MBS局の関西ローカル番組にベイブルースが出ていた。河本くんはおもしかった。なのに、翌朝のニュースで河本くんが劇症肝炎で急逝したと聴いた。ほんとうに残念に思った。これからの漫才コンビだったのに。
一時、TVで見なくなっていたベイブルースの高山くんを5年ぐらい前からよく見るようになった。彼らのファンだった私は高山くんの活躍をうれしく思っている。
いまだに高山くんを見ると、「ベイブルース」を思い出すし、相方だった河本くんのことを思い出したりする。でも、高山くんは今まで相方の河本くんのことについて特別語ってこなかった。「ベイブルース」のファンだった私は、高山くんから河本くんのことを語って欲しいなっとどこかで望んでいたから、この本を河本くんの15回目の命日に高山くんが綴ったとある番組で高山くん自身が宣伝していたのを知って、彼らへの応援もこめてこの本を購入した。
内容や文章はやっぱり素人だけれど高山くんの「想い・感情」がいっぱい詰まっていた。
私は「ベイブルース」を河本栄得と言う男を忘れない。




 
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| 23:15 | comments(0) | e.t.c |
2009.08.18.Tue 「ぼくは勉強ができない」 山田詠美 著
「ぼくは勉強ができない」 山田詠美 著

<あらすじ>
ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだー。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ!凛々しい秀美は活躍する元気溌剌な高校生小説。

<感想>
この小説は、高校生の長男の読書感想文の課題。部屋に置きっぱなしになっていたから拝借して読んだワケだが・・・(今どきこんなぶっ飛んだ本が課題図書なの?)思ってしまった。だって主人公の時田秀美くんはショット・バーで働く年上の女性:桃子さんと付き合っていてセックスを楽しむ関係。秀美くんのお母さんは高校生の息子に恋愛相談はするほどぶっ飛んでるし、分かり合える教師の桜井先生とは「セックスが強い、弱い」なんて話を日常でしている。高校生の息子を持つ母親として、今の高校生の世界ってこんなんかよ?と。
国語担当の教師は生徒のどんな感想を求めて課題図書にしたんだろうか?生徒の感想よりも私はむしろそっちの方に興味がある。
とは言え、あとがきに山田詠美さんが書いているように、リアルタイムの高校生よりもむしろオトナが読むべき小説であるように思った。

小説の中に、秀美くんが不運にも財布に持っていたコンドームを学校で落としてしまうくだりがある。それを見つけた教師は秀美くんを怒鳴りつけ、放課後に職員室に来るように言う。佐藤と言うその教師は「コンドームを持ってきていいと思っているのか?」「持っていると言うことは使っていると言うことか?」と聴かれる。秀美くんはあっさり言う。「そうです。彼女と使っています。」と。その返事に怒りを爆発させる佐藤先生。でも秀美くんは言う。「彼女が大切だから使っているのです。まだ子供はいらないし、お互いのために」と。怒ってる佐藤先生の方が滑稽だ。言い返せなくなった佐藤先生は「こんなものを持っているから勉強ができないのだ」と秀美くんを叱る。秀美くんはナゼ佐藤先生に謝る必要はあるのだろうか?と思う。私もお門違いだと思う。
高校生の頃、こう言う理不尽な教師と出会ってきた。高校生の頃はその教師に言い返せるだけの”なにか”を私は思っていなくて、悔しいと思いながらも先生の意見をわかったフリしてその場を逃れていたように思う。
政治家を目指すと言い出す友達、美少女に憧れる級友。「死」を選んでしまった友達・・。
高校生の時に出会ういろんな出来事を秀美くんの目で追体験した気がした。

 
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| 18:26 | comments(1) | 山田詠美 |
2009.07.16.Thu 「哲学」 島田紳助 松本人志 著
「哲学」 島田紳助 松本人志 著

<内容>
「そろそろ自分の死に際のことを考え始めている」島田紳助。「『もうあいつには勝てんな』と他の芸人にいわせたい」松本人志。互いに"天才"と認め合う二人が、照れも飾りもなく本音だけで綴った深遠なる「人生哲学」。お笑い、日本、恋愛、家族・・・ここまでさらけ出してしまって、本当にいいのか?二人の異才の全思考。

 <感想>
特別好きじゃないけど、島田紳助司会のTV番組を観るたびに(頭の回転が早いな)とか(上手にパネラーをいじって盛り上げるな)とは思う。松本人志にも「すべらない話」や「○○は話」の企画を見るたびにウケるセンスを感じていた。この本の中にはTVの世界ではけして見せることのない「『お笑い』に対する熱い思い」や、「男として生きる姿勢」が綴られていた。
やはりどの世界でも第一線で活躍している人間の志と言うものは高いと言うことだろう。
 
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| 15:45 | comments(0) | e.t.c |
2009.07.15.Wed 猛スピードで母は  長嶋 有 著

「猛スピードで母は」  長嶋 有 著


<あらすじ>
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向かう母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学賞新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。

<感想>
2作品とも賞を受賞している。なるほど、こう言うつかみどころのない作品って芥川賞をとりやすいのだろう。(過去読んだ芥川受賞作の印象と似てる)
この2作は、共に親の勝手に振り回される子供の目線から描いてあり、子供はオトナが思っている以上に状況を理解していて、割り切って生きてる姿が淡々と描かれている。

「猛スピードで母は」の一節に、慎の母は子供の頃、漫画家になりたかったが厳格な父親に反対され断念した経緯がある。息子である慎が漫画家になりたいと知った時、「あんたはなんでもやりな。私はなにも反対しないから」と言うシーンがある。逆に、「サイドカーに犬」の母親は、夜更かしを怒ったり、お菓子を食べる皿とおかずを入れる皿の区別にうるさかったりと、几帳面過ぎたようなくだりある。両作品ともに、親の「放任」と「責任」とをさらっと描いているのだけれど、どちらの作品も私の感覚と違ってて、読んでいてイラっとしてしまった。
結局、子供は干渉され過ぎるのも、放任され過ぎるのもさみしいのだ。親である母・父が自分の人生を生きようとする時、子供もその煽りを必ず受ける。致し方ないとは言え、それを気持ちよく読めない母親である私・・・。そんな感情があるため、相当読むのに時間がかかってしまった。
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| 12:10 | comments(0) | 長嶋 有 |
2009.07.15.Wed 長嶋 有 プロフィール

ながしま・ゆう。
1972年、埼玉出身。
2001年「サイドカーに犬」で第92回文学新人賞受賞
2002年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞受賞
2007年「夕子ちゃんの近道」で第1回大江健三郎賞受賞
その他の著書に「タンノイのエジンバラ」「ジャージの二人」「パラレル」など多数。
ブルボン小林としてコラムニストとしても活躍中。

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| 12:04 | comments(0) | 長嶋 有 |
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