スポンサーサイト
この広告は60日以上更新がないブログに表示されております。
新しい記事を書くことで広告を消すことができます。
| - | - | - |
いつまでも白い羽根
「いつまでも白い羽根」  藤岡陽子 著

<あらすじ>
「人の好き嫌いってなんだと思う?生きる姿勢なんだと思うんだ」
家庭の事情から行きたくもない看護学校に入学した瑠美。いつ辞めようかと思いながらも看護の勉強を続ける。不器用だけど天真爛漫な千夏。家庭がありふたりの子持ちの佐伯。謎めいた美少女の遠野。いろんなクラスメイトと共に過ごす中で瑠美はいろんなことを経験していく。
この時代にこそ必要な文学の大きな役割を堂々と担った、正統派大型新人、堂々のデビュー作。

<感想>
この感情をどう表現したらいいのか。
自分の看護学生時代とこの小説がかぶって、甘く苦く切ない気持ちとこんな過酷な世界を越えてきたんだなーと言う自負を感じた1冊だった。

その小説は看護学校の現実をリアルに描いている。それもそのはず、著者の藤岡さんは慈恵看護専門学校を卒業した経験があるからだ。

恐ろしいほどの量のレポートに提出物、学生でありながら、失敗が許されない厳しい世界へと実習に出される20歳前後の少女がはじめて直面する患者さんは年齢もさまざまで、死に直面する人、永遠に病気と闘い続けなければならない人などがいる。
あの頃、自分に看護師になる決意が自分にどれだけあったかわからない。少なくとも私は親に啖呵を切って学校を選んだ以上、(ケツを割るワケにいかない)と言う意地もあってこの道に踏みとどまった部分もあった。
ライバルでもある友だちとぶつかり合い、励まされながら「自分」と言う存在を知り、自分に「自信」を持つことも覚えた時代だったと思う。
心をこめて必死で勉強して看護をしても、患者さんからは結局「ほんとうの信頼」は得られず、理不尽なことで先輩ナースに怒られるうちに(1日も早く一人前のナースになりたい!)と強く思ったものだ。
この小説にも書かれているように、こんな演習って必要?と思うことも多いし、先輩ナース、学校の先生からのいびりも実際、あった。けれど、今となればあの時の経験は自分の糧となっているし、ムダではなかったと思う。

この年齢になり、自分の子供が職業を選ぶ年齢を迎えてた。ママ友だちの娘さんは「看護師を目指している」と言う。小説を読むとこんなハードな学生生活を送る自信がないと思われるかも知れない。実際、私が読んでもそう思ったぐらいだ。だけど、当事者なら越えてゆけるものだと思う。私も必死でただ前だけを見つめて走っていたと思う。
これから職業を選択しようとしている高校生や大学生、思うような人生を歩めずに迷っている人に読んでもらいたい1冊だ。 
| 藤岡陽子 | comments(0) | trackbacks(0) |
ベイブルース 25歳と364日  高山トモヒロ著
「ベイブルース 25歳と364日」 高山トモヒロ著

<内容>
1994年10月31日。25歳と364日で人生の幕を閉じた天才漫才師、ベイブルース河本栄得を知っていますか?
数々の賞を受け、確実に将来を有望視されていた漫才コンビ「ベイブルース」を突如おそった河本栄得の死。あれから15年。河本の15回目の命日に、相方高山トモヒロが自身の幼少期の思い出から河本との出会い、そして別れまでを克明に綴った。


<感想>
私は、漫才師「ベイブルース」を知っている。大好きなコンビだったし、河本くんはおもしろかった。彼らが出ている関西ローカル番組はよく見ていたし、これからが楽しみなコンビだった。ある深夜、MBS局の関西ローカル番組にベイブルースが出ていた。河本くんはおもしかった。なのに、翌朝のニュースで河本くんが劇症肝炎で急逝したと聴いた。ほんとうに残念に思った。これからの漫才コンビだったのに。
一時、TVで見なくなっていたベイブルースの高山くんを5年ぐらい前からよく見るようになった。彼らのファンだった私は高山くんの活躍をうれしく思っている。
いまだに高山くんを見ると、「ベイブルース」を思い出すし、相方だった河本くんのことを思い出したりする。でも、高山くんは今まで相方の河本くんのことについて特別語ってこなかった。「ベイブルース」のファンだった私は、高山くんから河本くんのことを語って欲しいなっとどこかで望んでいたから、この本を河本くんの15回目の命日に高山くんが綴ったとある番組で高山くん自身が宣伝していたのを知って、彼らへの応援もこめてこの本を購入した。
内容や文章はやっぱり素人だけれど高山くんの「想い・感情」がいっぱい詰まっていた。
私は「ベイブルース」を河本栄得と言う男を忘れない。




 
| e.t.c | comments(0) | trackbacks(0) |
「ぼくは勉強ができない」 山田詠美 著
「ぼくは勉強ができない」 山田詠美 著

<あらすじ>
ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだー。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ!凛々しい秀美は活躍する元気溌剌な高校生小説。

<感想>
この小説は、高校生の長男の読書感想文の課題。部屋に置きっぱなしになっていたから拝借して読んだワケだが・・・(今どきこんなぶっ飛んだ本が課題図書なの?)思ってしまった。だって主人公の時田秀美くんはショット・バーで働く年上の女性:桃子さんと付き合っていてセックスを楽しむ関係。秀美くんのお母さんは高校生の息子に恋愛相談はするほどぶっ飛んでるし、分かり合える教師の桜井先生とは「セックスが強い、弱い」なんて話を日常でしている。高校生の息子を持つ母親として、今の高校生の世界ってこんなんかよ?と。
国語担当の教師は生徒のどんな感想を求めて課題図書にしたんだろうか?生徒の感想よりも私はむしろそっちの方に興味がある。
とは言え、あとがきに山田詠美さんが書いているように、リアルタイムの高校生よりもむしろオトナが読むべき小説であるように思った。

小説の中に、秀美くんが不運にも財布に持っていたコンドームを学校で落としてしまうくだりがある。それを見つけた教師は秀美くんを怒鳴りつけ、放課後に職員室に来るように言う。佐藤と言うその教師は「コンドームを持ってきていいと思っているのか?」「持っていると言うことは使っていると言うことか?」と聴かれる。秀美くんはあっさり言う。「そうです。彼女と使っています。」と。その返事に怒りを爆発させる佐藤先生。でも秀美くんは言う。「彼女が大切だから使っているのです。まだ子供はいらないし、お互いのために」と。怒ってる佐藤先生の方が滑稽だ。言い返せなくなった佐藤先生は「こんなものを持っているから勉強ができないのだ」と秀美くんを叱る。秀美くんはナゼ佐藤先生に謝る必要はあるのだろうか?と思う。私もお門違いだと思う。
高校生の頃、こう言う理不尽な教師と出会ってきた。高校生の頃はその教師に言い返せるだけの”なにか”を私は思っていなくて、悔しいと思いながらも先生の意見をわかったフリしてその場を逃れていたように思う。
政治家を目指すと言い出す友達、美少女に憧れる級友。「死」を選んでしまった友達・・。
高校生の時に出会ういろんな出来事を秀美くんの目で追体験した気がした。

 
| 山田詠美 | comments(0) | trackbacks(0) |
「哲学」 島田紳助 松本人志 著
「哲学」 島田紳助 松本人志 著

<内容>
「そろそろ自分の死に際のことを考え始めている」島田紳助。「『もうあいつには勝てんな』と他の芸人にいわせたい」松本人志。互いに"天才"と認め合う二人が、照れも飾りもなく本音だけで綴った深遠なる「人生哲学」。お笑い、日本、恋愛、家族・・・ここまでさらけ出してしまって、本当にいいのか?二人の異才の全思考。

 <感想>
特別好きじゃないけど、島田紳助司会のTV番組を観るたびに(頭の回転が早いな)とか(上手にパネラーをいじって盛り上げるな)とは思う。松本人志にも「すべらない話」や「○○は話」の企画を見るたびにウケるセンスを感じていた。この本の中にはTVの世界ではけして見せることのない「『お笑い』に対する熱い思い」や、「男として生きる姿勢」が綴られていた。
やはりどの世界でも第一線で活躍している人間の志と言うものは高いと言うことだろう。
 
| e.t.c | comments(0) | trackbacks(0) |
猛スピードで母は  長嶋 有 著

「猛スピードで母は」  長嶋 有 著


<あらすじ>
「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。現実に立ち向かう母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学賞新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。

<感想>
2作品とも賞を受賞している。なるほど、こう言うつかみどころのない作品って芥川賞をとりやすいのだろう。(過去読んだ芥川受賞作の印象と似てる)
この2作は、共に親の勝手に振り回される子供の目線から描いてあり、子供はオトナが思っている以上に状況を理解していて、割り切って生きてる姿が淡々と描かれている。

「猛スピードで母は」の一節に、慎の母は子供の頃、漫画家になりたかったが厳格な父親に反対され断念した経緯がある。息子である慎が漫画家になりたいと知った時、「あんたはなんでもやりな。私はなにも反対しないから」と言うシーンがある。逆に、「サイドカーに犬」の母親は、夜更かしを怒ったり、お菓子を食べる皿とおかずを入れる皿の区別にうるさかったりと、几帳面過ぎたようなくだりある。両作品ともに、親の「放任」と「責任」とをさらっと描いているのだけれど、どちらの作品も私の感覚と違ってて、読んでいてイラっとしてしまった。
結局、子供は干渉され過ぎるのも、放任され過ぎるのもさみしいのだ。親である母・父が自分の人生を生きようとする時、子供もその煽りを必ず受ける。致し方ないとは言え、それを気持ちよく読めない母親である私・・・。そんな感情があるため、相当読むのに時間がかかってしまった。
| 長嶋 有 | comments(0) | trackbacks(0) |
長嶋 有 プロフィール

ながしま・ゆう。
1972年、埼玉出身。
2001年「サイドカーに犬」で第92回文学新人賞受賞
2002年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞受賞
2007年「夕子ちゃんの近道」で第1回大江健三郎賞受賞
その他の著書に「タンノイのエジンバラ」「ジャージの二人」「パラレル」など多数。
ブルボン小林としてコラムニストとしても活躍中。

| 長嶋 有 | comments(0) | trackbacks(0) |
四日間の奇蹟  浅倉卓弥 著
「四日間の奇蹟」  浅倉卓弥 著

<あらすじ>
脳障害を負った少女とピアニストと道を閉ざされた青年が
山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を
最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。

<感想>
2002年「このミステリーはすごい大賞受賞作品」だが、
私の感想は、ミステリーでなくファンタジー作品。
最近の本屋では、店員のポップをつけて紹介するのが
流行している。「これは感動しました♥」みたいなコメントで。
マイナスばかりではないけれど、
安易に「泣けます。感動します」と表現するのはどうなんだろうか。
この小説も<感動>をセールスポイントにしているが、そうじゃないと思う。
感動させて泣かせたいと言うよりも、癒し効果を感じた。
少し残念に思うのは、事故で薬指の先を失ったことでピアニストの道を断たれた青年と
脳障害の少女がピアノで目覚めていく話しをもっと煮詰めて欲しかったと思う。
途中から真理子が中心となってしまい話がゴチャゴチャし
青年と脳障害の少女の再生が物足りない感が残った
 
| 浅倉卓弥 | comments(0) | trackbacks(0) |
浅倉卓弥  プロフィール
 <profile>

あさくら たくや。
1966年、札幌生まれ。
東京大学文学部卒業後、レコード会社就職。
洋楽部ディレクターなど務める。
その後翻訳会社、雑誌編集部ほかへ勤務。
2002年「四日間の奇蹟」にて第一回「このミステリーはすごい」大賞受賞、
選考委員から絶賛を受けて翌年デビュー。
| 浅倉卓弥 | comments(0) | trackbacks(0) |
あなたがほしい  安達千夏 著
「あなたがほしい」  安達千夏 著

<あらすじ>
男を抱くことはできても、愛せない。女を愛していても抱き合うことをおそれてしまうー。年下の友人・留美に対する同性愛の欲望を意識しながらも、中年の建築家・小田との官能と友愛に充ちた関係に癒しと安らぎを憶えるヒロイン・カナ。しかし、留学中の留美の不在に、カナの秘めた想いは次第に募るのだった・・・。
新感覚の性愛を鮮烈に描いた恋愛小説の傑作。
第22回すばる文学賞受賞作。

<感想>
とにかくSEX描写が多い。それほど露骨ではないものの、
頻繁に出てくると食傷気味になり勢いが削がれてしまう。
共感できない部分のあるSEX描写はツライもんだと実感。
友達との関係や男との人間関係、仕事の話なんかはいいのに。
結局、小説の中程以降はSEX描写の部分は流し読みすることで読破。
レズと言う言葉でくくってしまうにはあまりにも崇高な感情のカナの想いが
どうなったかと言うところはハッキリと書かれていない。
むしろ、愛する人に愛されたいと願うことの怖さ、踏み出す勇気を
書きたかったのだろうからハッキリと示す必要はないのだろうけれど。
わからないではないけれど、共感を持つことができない小説は
なるほど・・・と言う感想で終わってしまう


 

| 安達千夏 | comments(0) | trackbacks(0) |
安達千夏 プロフィール
<profile>

あだち ちか。
1965年山形生まれ。
'98年「あなたがほしい je te veux」で第22回すばる文学賞受賞し、デビュー。
その鮮烈な性愛描写が話題を呼んだ。
著書に「モルヒネ」「おはなしの日」「見憶えのある場所」
 
| 安達千夏 | comments(0) | trackbacks(0) |